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盛土規制法 規制区域の指定が始まっています

目次

宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)について

盛土等を行う土地の用途やその目的にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」、令和4年5月27日公布)が、令和5年5月26日から施行されました。

背景

傾斜地に建物を建てる際、地面を平らにするために土を盛る(=盛土(もりど))または、地面を削り取る(=切土(きりど))行為が必要です。zu2

従来、国は宅地造成に伴うがけ崩れや土砂の流出といった災害を防止しする目的で「宅地造成等規制法」を定めていました。市街地等、災害時の被害が大きくなる恐れのある区域などを各都道府県知事等が「宅地造成工事規制区域」として指定し、その区域内にて宅地造成の工事を行う場合は、一定の規模以上の開発において許可申請を義務付けていました。

しかし、「宅地造成等規制法」では規制対象が「宅地造成」に限定されており、森林・農地や、土捨て場等の「土砂の一時的な堆積」は規制対象外であったことなど、規制にスキマが生じておりました。

 

上記のような状況の中、令和3年7月、静岡県熱海市で大雨に伴って盛土が崩落し、大規模な土石流災害が発生。28名が死亡・行方不明、住宅98棟が被害を受ける甚大な災害が発生してしまいました。これは不適切に造成された盛土が豪雨によって崩壊したことにより発生し、大きな問題となりました。

zu1この災害を契機に、全国的で統一した規制の必要性が浮き彫りとなり、従来の「宅地造成等規制法」を抜本的に改正。「宅地造成及び特定盛土等規制法」とし、土地の用途にかかわらず、危険な盛土等を包括的に規制する法律となりました。

新たな法律の概要

(1)スキマのない規制区域の指定

  •  都道府県知事等が、宅地、農地、森林等の土地の用途にかかわらず、盛土等により人家等に被害を及ぼしうる区域を規制区域として指定
  • 宅地造成以外であっても、規制区域内においては単なる土捨て行為や一時的な堆積についても規制の対象に。
  • 規制区域は「宅地造成等工事規制区域(宅造区域)」と「特定盛土等規制区域(特盛区域)」の2つに分類されます。

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(2)盛土等の安全性の確保

  • 盛土等を行うエリアの地形・地質等に応じて、災害防止のために必要な許可基準を設定
  • 許可基準に沿って安全対策が行われているかどうかを確認するため、
     [1]施工状況の定期報告、[2]施工中の中間検査及び[3]工事完了時の完了検査を実施する 等

(3)責任所在の明確化

  • 盛土等が行われた土地について、土地所有者等が安全な状態に維持する責務を有することを明確化
  • 災害防止のため必要なときは、土地所有者等だけでなく、原因行為者に対しても、是正措置等を命令できることとする 等が行われています。

(4)実効性のある罰則の措置

  • 罰則が抑止力として十分機能するよう、無許可行為や命令違反等に対する罰則について、条例による罰則の上限より高い水準に強化。
    ※ 最大で懲役3年以下・罰金1,000万円以下・法人重科3億円以下

規制区域について

規制区域のイメージ

盛土等に伴う災害から人命を守るため、都道府県知事等は、危険な盛土等を規制する区域を指定します。

宅地造成等工事規制区域(宅造区域):市街地や集落、その周辺など、盛土等が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリアを指定。

特定盛土等規制区域(特盛区域):市街地や集落から離れてはいるものの、地形等の条件から、盛土等が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリアを指定。

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長野県では令和7年5月26日に規制区域が指定され、盛土規制法に基づく規制が開始されています。

詳しくは長野県HPをご参照ください。

許可申請の義務化

規制区域内で盛土等を行う場合は、あらかじめ都道府県知事等の許可が必要です。

許可対象となる盛土等の規模は下記の通りです。

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大臣認定擁壁「ザ・ウォールⅡ」安全確実な造成を!

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国土交通大臣認定擁壁では全国トップシェア!

盛土規制法によって安全な造成が求められる中、宅地の安全性を確保する上で欠かせないのが「大臣認定擁壁」です。

大臣認定擁壁「ザ・ウォールⅡ」であれば「宅地造成等工事規制区域(宅造区域)」「特定盛土等規制区域(特盛区域)」いずれの区域でも設置可能です。

 

特に、高低差のある土地では、擁壁の性能がそのまま家の安全性に直結します。確かな性能の「ザ・ウォールⅡ」が、いのちと暮らしを守ります。


  • 国土交通大臣認定を取得しているので、認定条件内であれば  設計・計算等の手間が不要で、 計画から認可までの期間を短縮でき、手続きも簡素化できます。
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法施行令に規定されている大規模地震動に対応(水平震度kh=0.25に対応)しています。
  • 宅地用認定擁壁の中で唯一、壁面を垂直に設置することができるため、最大限、土地の有効利用が可能です。

ザ・ウォールⅡの施工事例

 

 

 

引用・出展

出典1:国土交通省 「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について
https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html

出典2:国土交通省 盛土規制法の概要
https://www.mlit.go.jp/toshi/morido-gaiyou.html

 

 

この記事を書いた人
高見澤インフラセグメント本部 広報担当

高見澤インフラセグメントの広報を担当しています。製品紹介やトレンドの話題を分かりやすくお伝えできるように頑張ります。

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