











Basilisk(バジリスク)とは
アルカリ耐性のある特殊培養したバクテリアを生コンクリート製造時に処方することで、硬化後のひび割れ発生時にバクテリアの代謝活動によりコンクリートのひび割れを自己修復させます。
コンクリートに自己治癒性能を付加することで圧倒的に長寿命化し、社会インフラ等のライフサイクルコストの削減に繋げることが可能になります。

Basilisk(バジリスク)のメカニズム
Basilisk HA自己治癒コンクリートは、バクテリアと餌の元となるポリ乳酸を混合して製造し、硬化後のコンクリートに劣化等の原因でひび割れが発生すると、侵入してくる水や酸素によってバクテリアは乾燥状態から解放されると同時に、ひび割れ表面のpHが下がりバクテリアは活動を開始します。
ひび割れ内に侵入する酸素を取り込み、乳酸カルシウムと酸素を摂取しながら代謝活動によりひび割れ内に炭酸カルシウムを排出することでひび割れを埋めていきます。
ひび割れが完全に閉塞すると、水や酸素の供給が断たれることでバクテリアは再び休眠状態を保ち、次のひび割れ発生に備えます。
Basilisk(バジリスク)の特徴
- ひび割れの自己治癒効果による高耐久性
Basilisk HA自己治癒コンクリートは、最大幅1mm程度までのひび割れを修復可能となりコンクリートを半永久的な構造物へと替えることが可能です。
これにより強度や耐久性は通常のコンクリートと同等でかつ100年を超える長寿命が見込まれています。 - メンテナンスフリー
メンテナンスがほぼ不要となるため、修復コストの大幅な削減や人による維持管理・調査が軽減され人手不足の解消にもつながります。 - CO2削減効果
コンクリートが長寿命化することで、セメント製造時や補修、解体時に発生する二酸化炭素の排出量も大幅に削減できます。
NETIS VE評価を頂きました
NETIS登録情報
技術名称:Basilisk HA自己治癒コンクリート
NETIS番号:HK-220003-VE
登録日:2024年8月30日
登録ページ:https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=HK-220003%20
新技術情報提供システム NETISについて
NETISは、新技術の活用促進のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が運用しているデータベースシステムです。新技術にかかわる情報が分類され、インターネットで一般公開されているため全国の地方整備局や北海道開発局、工事事務所等で共有しやすく、国や地方自治体が行う公共事業全般にも積極的に利用されています。
NETISの登録技術を使うことで、施工者は国や地方自治体が発注元となる公共工事において、工事成績評定や総合評価落札方式での加点対象となります。
【A評価とVE評価の違い】
NETISの登録技術には、技術の評価に応じて「識別記号」と呼ばれる記号が振り分けられています。
「A」評価は技術の効果や性能を示す初期段階であり、技術を活用した施工業者が、実際に使用後の効果を証明する「活用効果調査表」を提出する必要がありました。この調査表は、ひび割れの修復状況や耐久性の確認など、具体的な技術的効果を報告するものであり、施工業者にとっては作業の負担がかかっていました。
一方、「VE」評価はこの「活用効果調査表」の内容が評価され、技術が十分に効果を発揮していることが認められた最高ランクの評価です。
令和4年度のNETIS登録からこれまで、排水路工事や道路改良工事などで採用された合計16件の工事における「活用効果調査表」のほとんどで「従来技術より優れる」、「今後も是非活用したい」という評価を受け、今回の評価の引き上げに至りました。
「VE」評価に引き上げられた技術を採用した場合、施工業者は「活用効果調査表」を提出する必要がなくなり、書類作成や追跡調査の負担が大幅に軽減されます。これは、「Basilisk HA 自己治癒コンクリート」による自己治癒効果がこれまでの調査によって認められ、さらなる調査を必要としないレベルに到達したことを意味しています。