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【火山退避壕】富士山 標高3000mへの挑戦
工事概要
富士山 吉田口下山道には、登山道ほど多くの施設が設置されておらず
現在ある施設は、七合目にある公衆トイレと、七合目から八合目の中間地点にある緊急避難所のみとなっており
噴火が起きた場合に登山者が緊急に身を隠せる施設が不足しているのが現状でした。
このため、登山者の安全を守るため、8合目付近に火山退避壕2基の設置が行われました。
浅間山・御嶽山から富士山へ
弊社はこれまで2007年に浅間山、2018年に御嶽山へ火山退避壕を納入いたしました。

施工事例ページ:【アーチ型火山退避壕】浅間山に登山者用のコンクリート製の火山退避壕を再建

施工事例ページ:【ボックス火山退避壕】御嶽山にコンクリート製の火山退避壕を納入しました
いずれも標高2000mを超える非常に厳しい現場条件でしたが
長野県という日本有数の山岳地帯で、地域に根差したメーカーとして火山災害から登山者を守る知識とノウハウを蓄積してきました。
計画
設置場所
設置場所は富士山・吉田口下山道の7合目から8合目間のつづら折れ区間です。
本工事では2基施工され、今後6年間であわせて13基の設置が計画されています。
運搬方法
設計時、数ある検討事項の中でも、最も重要な課題の1つが ”どのように運搬するか?” でした。
かつての浅間山・御嶽山と異なり、地理条件などによりヘリコプターでの運搬はできません。
そこで検討されたのがキャリアダンプを使っての運搬でした。

キャリアダンプ 荷姿
キャリアダンプは、ダンプ下部がクローラーになっているため、傾斜地や不整地でも高い踏破力を持ちます。
しかしこれまで経験のない運搬方法です。実際に運べるかやってみないと分からない状態でした。
そこで2024年に実証実験が行われました。
御嶽山へ納入した規格を実際に製造し、5合目から8合目付近まで試験的に運搬し、問題なく運搬できることが確認されました。

運搬方法の実証実験
製品規格
また、施工時の重機サイズを考慮し、製品重量は1つ1,800kg以下である必要がありました。
このため製品規格は
- 収容人数135人
- 1,800kg/1部材 以下
- 土被りなどの諸条件
これらを満足できるように設計され
幅2500mm×高さ2000mm×L600mmの上下2分割 設置延長5400mm 全18セット/1基 で計画されました。
Basilisk・Locaconの採用
自己治癒コンクリート「Basilisk」の採用
Basilisk(バジリスク)は、バクテリアの代謝を利用しコンクリートのひび割れが自己修復するスマートマテリアルです。
バジリスク製品ページ:自己治癒コンクリート Basilisk(バジリスク)
標高3,000m地点でのメンテナンス・補修業務は極めて困難です。
Basiliskの自己修復機能により耐久性向上・補修管理業務の負担軽減といったメリットをご提案し、ご採用いただきました。
火山退避壕のような厳しい環境において非常に有効なソリューションと考えています。

製品写真
低炭素型コンクリート「Locacon」の採用
また、「低炭素型コンクリート”Locacon(ロカコン)”」が採用。Locacon(ロカコン)特設ページ
世界文化遺産である富士山への納入製品として、環境配慮型の材料選定をいたしました。
施工
富士山 閉山後の2025年9月、部材の運び込みが行われました。
まず、大型トラックが進入可能な5合目に運搬、仮置きを行いました。

5合目仮置き状況
ここからキャリアダンプで8合目の施工現場まで運搬されました。

工事期間は約1か月という短期間でしたが
基礎コンクリートも全てプレキャスト製品をご採用頂き、生コンを一切不使用とすることで施工性が向上しました。
標高3000mという非常に厳しい現場条件でしたが、施工業者様の優れた技術力と対応力により無事に設置完了することができました。



高見澤の想い
おわりに、世界文化遺産である富士山へ貢献できる機会を頂き、多くの皆様にご協力頂いたこと感謝申し上げます。
このような重要なプロジェクトを通じて、皆様の安全を守る一助となれたことを非常に光栄に感じております。
弊社は今後も、インフラ整備を通じ、皆様の安心と安全を守ることを使命として、社会への責任を果たし続ける所存です。