
自己治癒コンクリート「Basilisk(バジリスク)」という技術を耳にしたことがあるでしょうか?
コンクリートのひび割れが”バクテリアの働きで自己治癒する”という、まったく新しい技術の利用が普及しつつあります。
昨年、富士山に設置された火山退避壕(火山シェルター)にも導入されたことで、ますます注目が集まっています!
本記事ではBasilisk(バジリスク)の仕組み、導入事例などをご紹介します。
Basilisk(バジリスク)とは?
なぜコンクリートのひび割れ修復技術が注目されているの?
皆様も「コンクリートのひび割れ」と聞くと「あまり良くないもの」というイメージをお持ちではないでしょうか?
その大きな理由の一つに、コンクリート内部の鉄筋が錆びる問題が挙げられます。
たとえ微細なひび割れであっても、そこから酸素や水、塩化物などが侵入することで、コンクリート内部の鉄筋に錆が発生してしまいます。鉄筋に生じた錆は、鉄筋自体の強度低下を招くだけでなく、体積膨張によってコンクリートを内側から押し上げ、ひび割れの拡大やコンクリート自体の破損につながる恐れがあります。

このため、微細なひび割れであってもコンクリートの耐久性に大きな影響を与えてしまうことがあることから、これまでは定期的に人の手によって補修作業が行われておりました。しかし膨大な量のコンクリート構造物の維持管理には、莫大なコストと人手が必要になるという大きな社会的課題となっておりました。
そこで注目されているのが、コンクリートのひび割れを自ら修復する自己治癒コンクリート「Basilisk(バジリスク)」です。
Basilisk(バジリスク)の概要
自己治癒コンクリート「Basilisk(バジリスク)」は、コンクリートに特殊なバクテリアを混ぜることで、ひび割れが自然に修復される技術です。

一般的なバクテリアは、コンクリート内部の強アルカリ環境では生きていけませんが、バジリスクに使われるバクテリアは、深海から採取された耐アルカリ性の特殊なものです。この技術はオランダのデルフト工科大学で研究され、日本の會澤高圧コンクリート株式会社が世界で初めて実用化に成功しました。
現在は国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」では "VE"という最も高い評価をいただいており、全国のインフラ整備で採用が進んでいます。
NETIS登録番号:HK-220003-VE(登録ページを確認できます)
Basilisk(バジリスク)のメカニズム
使用方法
Basilisk(バジリスク)は、バクテリアとその栄養源となるポリ乳酸を事前に混合した粉体の材料です。
この粉体を生コンクリート製造時に他の材料と一緒に練り混ぜることで使用します。
ミキサーによる練り混ぜにより、バクテリアとポリ乳酸がコンクリート全体に分散します。その後ポリ乳酸は徐々に分解されバクテリアの餌となる乳酸カルシウムに変わっていきます。
ひび割れ修復メカニズム
生コンクリートが硬化、プレキャストコンクリートとして製品となり、現場で使用が始まります。
これらはコンクリート内に残っているセメントと反応し小さな穴や細かなひび割れを埋めていきます。
期待される効果
1.ひび割れの自己治癒効果による高耐久性
Basiliskは、最大幅1mm程度までのひび割れを修復可能で、強度は通常のコンクリートと全く変わりません。
ひび割れの修復効果により100年を超える長寿命化が見込まれています。
2.メンテナンスフリー
ひび割れ補修などのメンテナンスがほぼ不要となるため、維持管理・調査業務が軽減され、維持管理コストの大幅な削減につながります。
3.CO2削減効果
コンクリートが長寿命化することで、セメント製造時や補修、解体時に発生する二酸化炭素の排出量も大幅に削減できます。

商品ラインナップ
Basilisk HA コンクリート材料
プレキャストコンクリート・生コンクリートに対応します。リーフレットをみる

Basilisk MR3Ⅱ 補修モルタル
モルタルタイプのひび割れ補修材料です。リーフレットをみる

Basilisk ER7 液体補修材
液体タイプのひび割れ補修材料です。リーフレットをみる

採用事例
富士山 火山退避壕に採用!
2025年、富士山8合目付近に設置された火山退避壕(火山シェルター)にBasiliskが採用されました。
標高3000m付近に設置される火山退避壕は非常に厳しい環境下にあり、補修・維持業務を行うのは非常に困難です。
そこでBasiliskの自己治癒能力による耐久性向上・補修管理業務の負担軽減といったメリットをご提案し、ご採用いただきました。
火山退避壕のような厳しい環境において非常に有効なソリューションといえます。


ボックスカルバートに採用!
長野県長野市に設置されたボックスカルバートにご採用いただきました。
W700×H700という小型サイズのボックスカルバートだったため、人の手による維持管理が難しく、定期的なメンテナンスができない点が課題として挙げられました。
Basiliskを採用することで構造物の長寿命化が期待されてご採用いただきました。

まとめ
Basilisk(バジリスク)は、コンクリートのひび割れが自然に埋まるという画期的な新技術です。これにより耐久性向上と維持管理負担の軽減が期待できます。
特に高い標高に設置される火山退避壕や暗渠になってしまうボックスカルバートなど、維持管理が難しい場所での設置は非常に効果的であると考えられます。ぜひお気軽にお問い合わせください。